修学院離宮参道から北へそれ、すこし歩くと比叡山が見えてきます。
比叡山を背負った赤山禅院の石鳥居。
赤山大明神と書かれた額は、近くの修学院離宮を造営した後水尾天皇が行幸した際に賜ったものだとか。
鳥居をくぐり、ゆるやかな坂をのぼると、
山門。
すごい蝉の声。
さらにしばらく歩きます。
赤山禅院は比叡山・延暦寺の塔頭のひとつで、天台宗のお寺です。
最近最澄の本を読んだせいで天台系の寺にばかり惹かれてしまう…
拝殿。
本殿まえの正念珠。
順路の通りにすすむとこの正念珠をくぐり、最後に還念珠をくぐることになります。
これは密教の考え方からくるもので、この正念珠をくぐりながら心に願いを浮かべ、参拝をし、還念珠をくぐるときにその願いがやはり大切であるならば、その願いを遂げるために努力することを誓い、あらためて仏さまに力を貸してもらえるように祈ることで加護が得られる、というもの。
さあ、願いごとを思い浮かべて…
本殿。
創建は仁和4年 ( 888年 ) 。
祭神は泰山府君 ( 赤山大明神 ) 。
この泰山府君は陰陽道の主祭神でもあり、安倍晴明が使った陰陽道の最高奥義「泰山府君の祭」は死者をよみがえらせる秘術として知られます。
皇城表鬼門、と書いてある通り、ここは御所の鬼門の方角にあたります。
そのため、方除祈願に訪れるひとが古来から多いそうです。
鳥居といいこの朱色といい、神仏習合の寺院にありがちなチグハグさがまるでない。
順路の途中には摂社もたくさんあります。
ほんと山の中。
またここは、天台宗随一の荒行とされる千日回峰行・赤山苦行の場所でもあります。
千日回峰行とは叡山で修行する僧が7年にわたって行う荒行のこと。
無動寺谷を出て東塔、西塔、横川から大津の日吉大社まで、往復30キロの道のりを真言を唱えながら6時間で巡拝する行を5年間続け、阿闍梨となった僧だけが、それまでの行程にこの赤山禅院をくわえた往復60キロの巡拝を100日間続ける、という厳しいもので、この6年目に行われる行のことを赤山苦行といいます。
7年目の京都大廻りなどを経て、満行した僧は「北嶺大行満大阿闍梨」と呼ばれ、京都御所へ土足で参内することが許されます。
叡山の長い歴史の中でも満行者は47人しかいないそうです。
還念珠。
もう暑くて暑くて、さっき思い浮かべた願いごとどころではなかったです。
それだけどうでもいいことを願ってた、ということなんでしょうね、きっと。あはは。
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